2025/03/28投稿者:スタッフ

派遣法の3年ルールとは?企業が理解すべき基本ポイント

「派遣社員の3年ルール」…優秀な人材を手放さなければいけない、業務が滞る、そんな悩みを抱えていませんか?

でも、諦めるのはまだ早い!このルール、実はピンチをチャンスに変える鍵なんです。

 

この記事では、

・3年ルールの基本と、その後の最適な対応

・直接雇用、新規派遣、無期雇用派遣のメリット・デメリット

・スムーズな移行のためのスケジュールとチェックリスト

を解説します。

 

3年ルールを「制約」ではなく「人材戦略」に!

適切な対策で、人材不足を解消し、企業の競争力をアップさせましょう。

いますぐ、3年ルール対策を始めましょう!

派遣社員を受け入れる際の注意点とは?

 

 

1.派遣法の3年ルールとは?企業が理解すべき基本ポイント

企業が派遣社員を活用する際に必ず理解しておくべき法律が「労働者派遣法」です。特に、「3年ルール」は派遣労働の大きな制約となるため、正しい理解が欠かせません。

3年ルールを知らずに運用を進めた結果、契約終了時に人材不足に陥る、派遣社員とのトラブルが発生する、行政指導を受けるなどのリスクが発生する可能性があります。

本章では、企業が押さえるべき3年ルールの基本事項を詳しく解説します。

 

1-1. 3年ルールの基本的な仕組み

3年ルールとは、「派遣社員は同じ職場で3年を超えて働くことができない」とする制度です。

 しかし、このルールには「個人単位の3年ルール」と「事業所単位の3年ルール」の2つがあり、適用の仕方が異なります。

 

(1)個人単位の3年ルールとは?

派遣社員1人が、同じ組織単位(課やチーム)で働けるのは最長3年までという決まりです。

例:Aさん(派遣社員)が「営業課」に配属された場合、最長3年までしか働けない。

3年経過後は、「営業課」では働けないが、「総務課」に異動すれば引き続き勤務可能。

 

《 例外的に3年を超えて働くことができるケース 》

  • 派遣先が派遣社員を直接雇用する(正社員・契約社員として採用)
  • 派遣元(派遣会社)と無期雇用契約を結ぶ(無期雇用派遣社員となる)
  • 派遣先の「別部署」へ異動する(部署変更により勤務継続)

 

(2) 事業所単位の3年ルールとは?

企業全体として、同じ派遣社員を3年以上受け入れることができないというルールです。

 ただし、労働組合または過半数代表者の意見を聴取すれば、派遣の受け入れ期間を延長することが可能です。

例:企業Aが派遣社員を3年間受け入れた後、新たに別の派遣社員を受け入れる場合、労働組合の意見聴取が必要。労働組合の同意を得た場合、派遣社員の受け入れ期間を延長できる。

 

 

1-2. 3年ルールの適用対象と適用されないケース

3年ルールは、全ての派遣労働に適用されるわけではありません。

 以下のケースでは、3年ルールの制限を受けずに派遣社員を受け入れることが可能です。

 

(1) 3年ルールが適用される派遣社員

オフィスワーク(一般事務・営業事務など)、コールセンター業務、製造業のライン作業などの一般的な有期雇用の派遣社員は、3年ルールの適用を受けます。

 

(2)3年ルールが適用されないケース

以下のケースでは、3年ルールの制約なく派遣社員を受け入れることが可能です。

 

◆無期雇用派遣(派遣会社の正社員)

派遣元(派遣会社)と無期雇用契約を結んだ派遣社員は、3年ルールの適用を受けません。そのため、企業は長期的に派遣社員を受け入れることが可能になります。

 

◆26業務(専門業務)に該当する仕事

労働者派遣法では、システムエンジニア(SE)・プログラマー、翻訳・通訳業務、財務・会計業務、研究開発業務のような専門的業務は3年ルールの適用対象外となります。

 

◆60歳以上の派遣社員

定年後の再雇用として派遣社員を受け入れる場合、3年ルールの適用外となります。

 

◆派遣先が直接雇用(正社員・契約社員)する場合

派遣社員が派遣先の直接雇用(正社員・契約社員)として採用される場合、3年ルールの制約を受けません。

 

1-3. 3年ルールを守らない場合のリスク

派遣法の3年ルールを正しく運用しない場合、企業は法的なリスクを負う可能性があります。

  • 行政指導・是正勧告を受ける可能性
  • 派遣社員とのトラブルが発生するリスク
  • 人材不足による業務停滞のリスク

 企業側は、3年ルールの影響を事前にシミュレーションし、人材確保の計画を立てることが重要です。

 

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2.3年ルール適用後、企業が取るべき選択肢とその影響

派遣法の3年ルールが適用されると、企業はこれまで雇用していた派遣社員を継続して受け入れることができなくなります。 そのため、事前に適切な対応策を検討し、スムーズな労務管理を行うことが重要です。

3年経過後の企業の選択肢は、主に以下の4つに分かれます。

  1. 派遣社員を直接雇用(正社員・契約社員)として採用する
  2. 派遣社員を別部署に異動させ、派遣契約を継続する
  3. 新たな派遣社員を受け入れる(既存派遣社員は契約終了)
  4. 無期雇用派遣を活用し、3年ルールの適用を回避する

それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあるため、自社の人材戦略や業務状況に応じた最適な対応を選ぶことが求められます。

 

 選択肢1:派遣社員を直接雇用する(正社員・契約社員化)

派遣先企業は、3年ルールの適用後に派遣社員を正社員や契約社員として直接雇用することが可能です。

≪ メリット ≫

・即戦力として活用できる(既に業務を理解しているため、教育コストがかからない)

・組織の安定性が向上する(長期的な人材確保が可能)

・優秀な派遣社員を確保し、競争力を維持できる

 

≪ デメリット ≫

・雇用コストの増加(社会保険・賞与・退職金など)

・正社員として雇用すると、解雇が難しくなる

契約社員として採用すると、数年後に再び雇い止めの問題が発生する可能性がある

 

◆ポイント

 企業が派遣社員の直接雇用を検討する場合は、人材の適性評価と長期的な雇用戦略を慎重に検討することが重要です。

 

選択肢2:派遣社員を別部署に異動させ、契約を継続する

3年ルールは「同じ組織単位(課・チーム)での派遣が3年まで」と定められているので、別の部署へ異動させることで、同じ派遣社員を継続して雇用することが可能です。

≪ メリット ≫

・3年ルールを回避でき、即戦力の派遣社員を引き続き活用できる

・新規派遣社員の受け入れに伴う教育コストを削減できる

 

≪ デメリット ≫

・異動先の業務内容が適合しない場合、パフォーマンスが低下する可能性がある

・派遣社員本人の希望と異なる場合、離職につながることがある

 

◆ポイント

 異動を検討する場合は、派遣社員の適性や希望を考慮し、無理のない範囲で配置を変更することが重要です。

 

 選択肢3:新たな派遣社員を受け入れる(既存派遣社員は契約終了)

3年ルールの適用後は、既存の派遣社員との契約を終了し、新たな派遣社員を受け入れることも可能です。

≪ メリット ≫

・契約満了により、新たな労働力を確保しやすい

・派遣社員のスキルや適性を見直す機会となる

 

≪ デメリット ≫

・新しい派遣社員の教育コストが発生する

・業務の引継ぎが不十分だと、業務の効率が低下する

 

◆ポイント

 新規派遣の受け入れを検討する場合は、業務の引継ぎを十分に行い、スムーズな移行を図ることが重要です。

 

選択肢4:無期雇用派遣を活用する

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期雇用契約を結んだ派遣社員を受け入れる方式です。

この方法を利用すれば、3年ルールの適用を受けずに同じ派遣社員を継続して雇用することが可能になります。

≪ メリット ≫

・3年ルールの制約を受けずに長期間勤務可能

・長期雇用による業務の安定化が図れる

 

≪ デメリット ≫

・無期雇用派遣社員の受け入れには、派遣会社との調整が必要

・通常の派遣社員よりもコストが高くなる場合がある

 

◆ポイント

企業が長期的に派遣社員を活用する場合は、無期雇用派遣の導入を派遣会社と事前に相談し、適切な雇用形態を選択することが重要です。

 

 

3.3年ルールを迎える前に企業が準備すべきこと

派遣社員の契約が3年で終了することを想定せずに運用を進めると、業務に支障をきたしたり、法令違反による行政指導のリスクがあります。そんなリスクを回避するためにも、3年ルール適用前から計画的に準備を進めることが重要です。

企業が3年ルールを迎える前にやるべき具体的な準備について詳しく解説します。

 

3-1. 派遣社員の活用計画を立てる(短期・長期の雇用戦略)

派遣社員を採用する際に、「どのような業務を担当し、3年後にどうするのか?」を明確にしておくことが重要です。事前に計画を立てることで、3年ルール適用時に慌てることなく、適切な対応が可能となります。

≪ チェックポイント ≫

この派遣社員を3年後に直接雇用する可能性はあるか?

3年後に異動できる部署はあるか?

派遣社員の業務を社内の正社員に引き継ぐ予定はあるか?

 

≪ 対応策 ≫

 ✓1年目から業務の評価を行い、長期雇用の可能性を探る

 ✓ 2年目までに異動の候補部署を考えておく

 ✓ 3年目に入る前に、契約更新・直接雇用の打診を行う

 

3-2. 3年ルールを考慮した派遣契約の設計

派遣社員を長期的に活用する場合、派遣契約の更新をどのタイミングで行うかを明確にしておくことが重要です。

≪ 企業が考えるべきポイント ≫

契約期間をどのように設定するか?(6カ月更新・1年更新など)

3年ルールを考慮し、途中で直接雇用を提案するか?

業務の引継ぎをスムーズに進めるための計画を立てているか?

 

3年ルールを迎えた際に、派遣社員を直接雇用する可能性がある場合、契約段階から「直接雇用への転換を検討する」と明記しておくことが有効です。

こうした取り決めを事前に派遣会社と調整しておくことで、スムーズな人材確保が可能となります。

 

3-3. 労働組合や社内の合意形成の進め方(意見聴取の実施)

派遣法では、事業所単位の3年ルールにおいて、労働組合または従業員代表の意見を聴取することで、派遣社員の受け入れ期間を延長することが可能です。適切な手続きを踏むことで、3年ルール適用後も継続して派遣社員を受け入れることが可能になります。

≪ 労働組合との協議で注意すべきポイント ≫

・事前に派遣社員の評価や業務の必要性を整理し、納得できる説明を準備する

・意見聴取は「合意」ではなく「聴取」なので、反対意見が出ても受け入れは可能

・意見聴取の記録を残し、労務管理上のリスクを回避する

 

 

3-4. 3年ルール前に派遣会社と連携し、スムーズな対応を準備する

派遣会社は、3年ルールの適用に関する情報を持っているため、事前に相談し、最適な対応策を検討することが重要です。早めに派遣会社と連携を取ることで、人材の確保と円滑な業務運営を実現できます。

≪ 派遣会社と話し合うべきポイント ≫

・3年ルール適用後の派遣社員の処遇(異動・直接雇用の可能性)

・無期雇用派遣の活用可能性

・新規派遣社員の確保と業務引継ぎのスケジュール

 

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4.3年ルール後の人材戦略 – 直接雇用か新規派遣か?

派遣法の3年ルールが適用されると、企業は既存の派遣社員の契約終了、新規派遣社員の受け入れ、または直接雇用の検討を迫られます。この判断を誤ると、業務効率の低下や人材不足が発生し、企業の競争力にも影響を与えかねません。

ここでは、3年ルール後の人材戦略として、企業が選択できる具体的な方法を解説します。

 

 選択肢1:派遣社員を直接雇用する(正社員・契約社員化)

(1)直接雇用のメリット

即戦力の確保:業務に精通しているため、教育コストがかからない

人材定着率の向上:安定した雇用環境を提供できる

社内文化への適応がスムーズ:すでに企業の方針や業務フローを理解している

 

(2)直接雇用のデメリット

雇用コストの増加:社会保険、賞与、福利厚生費などの負担が発生

雇用契約の制約:正社員の場合、解雇が難しくなる

適性評価の必要性:派遣社員が長期的に活躍できるか慎重に判断する必要がある

 

(3) 直接雇用をスムーズに進めるためのポイント

 ✓3年目の契約更新時に、直接雇用の打診を行う

 ✓ 試用期間を設け、適性を見極めた上で正社員登用する

 ✓ 給与・待遇を明確にし、派遣社員とのトラブルを回避する

 

選択肢2:新しい派遣社員を受け入れる

(1)新規派遣社員を採用するメリット

雇用の柔軟性を維持:契約期間終了時に人員調整が可能

適切なスキルを持つ人材を確保しやすい:派遣会社と連携して最適な人材を選べる

業務の新しい視点を取り入れられる:新たな人材がチームに活力をもたらす

 

(2) 新規派遣社員のデメリット

業務の引継ぎが必要:前任者の業務内容を的確に伝えなければならない

派遣社員の適応に時間がかかる可能性がある:新しい環境に馴染むまで時間がかかる

 

(3)新規派遣のスムーズな受け入れ手順

 ✓3カ月前から派遣会社と協議し、新規派遣社員の確保を進める

 ✓ 現職の派遣社員に業務マニュアルの作成を依頼し、スムーズな引継ぎを実現する

 ✓ 新規派遣社員の適応期間を考慮し、研修・OJTのプランを作成する

 

選択肢3:無期雇用派遣を活用する

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期雇用契約を結んだ派遣社員を受け入れる形態であり、3年ルールの適用を受けません。

 

(1)無期雇用派遣のメリット

3年ルールを気にせず、長期間同じ派遣社員を活用できる

スキルの高い派遣社員を確保できる

雇用の安定と業務効率向上が期待できる

 

(2)無期雇用派遣のデメリット

通常の派遣よりコストが高くなる場合がある

派遣会社との契約内容を詳細に調整する必要がある

 

(3)無期雇用派遣を導入する際の注意点

 ✓派遣会社と事前に契約条件を確認し、適切な雇用コストを設定する

 ✓ 長期的に活用できる業務かどうかを検討する

 ✓ 派遣社員のスキルを定期的に評価し、業務の最適化を図る

 

4-1.どの選択肢を選ぶべきか?判断基準

以下の表を参考に、企業の業務内容や人材戦略に応じて、適切な選択肢を検討することが重要です。

  メリット デメリット
直接雇用 業務の継続性が確保され、定着率が向上 雇用コストの増加、解雇の難しさ
新規派遣社員の受け入れ 柔軟な雇用が可能、最適なスキルの人材を確保できる 業務の引継ぎが必要、適応に時間がかかる
無期雇用派遣 3年ルールの制約を受けずに長期的に活用可能 コストが高くなる可能性がある

 

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5.3年ルール対応をスムーズに進めるための実務チェックリスト

派遣法の3年ルールに適切に対応するためには、計画的なスケジュールを立て、段階的に準備を進めることが重要です。以下のタイムラインを参考にしながら、企業の人材戦略を立てましょう。

 

≪ 3年前(派遣社員の受け入れ時)≫

◆契約時点で3年ルールの適用を意識する 

派遣契約を締結する際、契約満了後の対応(直接雇用の可能性・異動・契約終了)を想定しておき、派遣会社と連携ながら長期的な雇用計画を策定する。

 

◆業務マニュアルの整備を開始する

3年後の人材交代に備え、業務手順書を作成し、引継ぎを円滑にする準備を進める。

 

≪  2年前(派遣社員の勤務が安定する時期) ≫

◆派遣社員の適性を評価し、直接雇用の可能性を探る

1年目の実績や業務への貢献度を見極め、正社員または契約社員としての登用の可能性を検討

し、社内で意見をまとめる。

 

◆別部署への異動の可能性を確認する

3年ルール回避のため、異動が可能な部署を探し、配置転換の計画を立てる。

 

≪  1年前(3年ルール適用まであと1年) ≫

◆ 派遣会社と3年後の対応について正式に協議を開始する

新規派遣社員の採用が必要か、直接雇用へ切り替えるのかを決定したり、無期雇用派遣の導入が可能か派遣会社と相談したりする。

 

◆派遣社員本人との意向確認を行う

派遣社員のキャリア志向を確認し、直接雇用の希望があるか話し合う。また、企業側の対応方針を明確にし、雇用継続の有無を伝える。

 

≪ 3カ月前(契約更新の最終決定)≫

◆ 最終的な人材確保の準備を完了させる

直接雇用する場合は、契約書の準備と給与・待遇の調整を行う。新規派遣社員を受け入れる場合は、業務引継ぎの計画を策定する。

 

◆労働組合または従業員代表者と意見聴取を実施する

事業所単位の3年ルール延長を検討する場合、労働組合の意見を聴取し、適切な手続きを進める。

 

≪ 3年ルール適用時(派遣契約満了)≫

◆ 最終決定に基づき、契約更新・異動・新規派遣の受け入れを実施

業務の引継ぎをスムーズに行い、組織の安定化を図る。直接雇用に切り替える場合は、派遣社員との契約を正式に締結する。

 

 

6.まとめ:3年ルールを理解し、企業の人材戦略を最適化する

派遣法の3年ルールは、企業が派遣社員を長期間活用するうえで避けて通れない重要な制度です。本記事では、企業が3年ルールを正しく理解し、適切な対応を行うための具体的な方法を解説しました。

 企業が3年ルールを適切に運用し、計画的な人材確保を進めることで、長期的に安定した労働力を確保し、競争力の向上につなげることができます。

適切な対応を行い、3年ルールを企業の成長戦略の一環として活用しましょう。

 

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